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リビルト・カートリッジの音質比較

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ジャンクのカートリッジを修理して鳴らしてみると、全く問題なく素晴らしい音で鳴るので次々修理しているうちにリビルト・カートリッジが溜まってきてしまいましたので、纏めて比較してみました。「オリジナルでなければ比較試聴など意味はない」と言う方はいると思います。
確かにリビルトなのでオリジナル本来の音ではありませんが、音の傾向は十分に窺えるので面白いと思いました
比較に使うレファレンスはもちろんオリジナルMC-L1000ですので比較対象の評価基準のレベルが高い事を御理解頂きたいと思います。。

'''レファレンス ビクター MC-L1000'''
見通し良く、反応は速く、音の分離も良くサラサラとした乾いた肌理の細かい音で、左右に広く奥に深く広がる音場が素晴らしい、高域から低域までバランス良く癖のない自然な音です。
あまり洗い浚い出す為にレコードによっては鋭敏すぎて行き過ぎと思う事もあります。

'''パイオニアPC-70MC'''
明るく爽やかで鮮明で音場の見通がとてもよく、澄んで優しくストレスなく延び切っていく艶のある高弦はL1000以上で、とにかくバイオリンは最高です!
これぞ空芯MCと言える音が聴けます。やや細身で重厚感に欠ける様に聴こえますが、低域は締っていて 質感はとても高いものです。聴いては魅力的で音楽に引き込まれますので、つい、つい手に取る回数が多くなります。一時期 入れ込んで使っていただけの事はあります。

'''クリヤーオーディオ デルタ'''
明るく、前出の70MCより音像の輪郭は甘くなりますが、音が前に出るタイプで低音は太く迫力があり他のカートリッジとは一味違います。音場は左右に広く奥に浅いタイプでスケールが大きく、音楽が生き生きとしていて楽しく、このカートリッジも聴き手を音楽に引き込む力があります。
比較をするとL1000の音が真面目に聴こえてしまうくらいです。

'''オルトフォンMC2000'''
音の粒子の肌理が細かく繊細でやさしく落着いた『いぶし銀』の様な音で、雄大で深く奥へ奥へと展開する音場が素晴らしい。こう書くと地味でつまらない音の様にとられがちですが、さにあらず反応も早く生き生きとしていて、重心は低く厚みがあるのでオーケストラのスケールが大きい。品位が高く誇張が感じられないので長時間聴いていても飽きが来ない完成度の高い大人の音です。

'''オルトフォンMC2000mk2'''
MC2000の極少出力が改善されてかなり使い易くなっています。
MC2000の落ち着いた音とは対照的に明るく見通しの良い現代的な音になっています。高域は鮮明ですが、華やかな色が付いていますので、もしかしたらボディの使われているセラミックの音かもしれません。
中低域はMC2000と同等同傾向の音で重心は低く力強い音です。

'''サエクC-1'''
このカートリッジだけが空芯カートリッジではなく磁性コアをもったカーリッジです。
低域から高域まで直接的なクッキリとしたオンの音が優先で芯のある密度が高い音に聴こえ、とくに低域はズシンとくる重さと迫力がありますので、オーディオファイルの多くの方が好きな音だと思います。高域は芯がある傾向がそのままありますので僅かに硬質に聴こえ、空芯の軽く爽やかな肌理の細かい高域とは違う音がコア入りカートリッジを感じさせます。
MCR-38プリの3ギガΩ受けで聴きましたので、単体で聴いていると全くコア入りカートリッジだとは気が付かないほど良く出来た音だと思います。

以上、今まで直したリビルト・カートリッジをまとめて試聴してみましたが、カートリッジの真の能力を発揮させる為には、使うプレーヤーの質の方がはるかに重要で、プレーヤーが不完全だとカートリッジが持つ素晴らしい能力が発揮させられないままに終わっててしまっていると感じます。今回はどのカートリッジも音のレベルは驚くほど高く、比較せず単体で聴いているぶんにはネガティヴな所は全く気にならないほどどれも良い音で音楽が楽しめました。

カートリッジが急に増えたので手持ちのシェルの方が不足してしまいました。

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