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SATIN M-21の修理依頼

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先日私のブログを見た方からサテン社のM-21の修理依頼がありました。
話を聞くと 両チャンネルより微かな音しか出ていないそうで、
カートリッジの状態と、事の経緯はこの方のブログに書かれていました。
https://fugaku2.blog.fc2.com/blog-entry-340.html
動作しないのに気が付いて10年以上経過している様なので修理できるか自信はありませんが依頼を受けてみる事にしました。
このブログの内容には回復手術と書かれていますが、分解などしなくてもオイルは除去できますので、あまり弄られていない事を祈ります。

数日して修理の依頼品が送られてきました。
イメージ 1
M-21が2個です。早速顕微鏡を覗いてコイルの動きを確かめましたが、2個ともに完全固着一歩手前の重症でした。
イメージ 2
コイルがフリーの状態ならアーマチュアを押し引きしてもコイルがそれて伴って上下する為に極細のアーマチュアに無理はかかりませんが、コイルが固着状態でアーマチュアを動かそうとすると無理がかかり、曲ったり、最悪は元から切れて一巻の終わりとなってしまいます。このタイプのカートリッジを修理しようとしてアーマチュアを破断させてしまったケースは多いのではないかと思うのです。

まず一個目のカートリッジのコイルを動かそうとしてみましたが、とても動く状態ではなく、荒療治ではありますが、洗浄スプレーを使ってグリスを溶かします。
洗浄スプレーは内部も侵す恐れがありますので、できるだけ使いたくはないのですが、このままでは何れにしても修理不能ですので、吹きかけてみました。

暫くそのまま置いてから顕微鏡を覗きながらアーマチュアを竹ひごを使って少しずつ動かすと徐々にグリスが解れてコイルが動いてきました。こうなれば修理の目鼻は付いた様なものです。
再度、コイルに洗浄スプレーを吹き付けて緩んだグリスを吹き飛ばします。
グリスの無い状態でカンチレバーユニットを本体に取付、音出しをしてみました。
正常な音量で両チャンネルより音が出ましたが、この状態ではダンピングが効かずに高域にピークが付いたハイ上がりの音ですので、オイルを添加してから再びレコードを掛けてみました。

全く正常な音がします。修理は完了です。・・・

と思ったら今朝には音が出ません。まだ、カートリッジ内に残ったグリスの残渣が翌日にヨークにコイルを貼付てしまっている様です。
こうなると始めから再度洗浄し直してオイルを点け直す作業の繰り替えしですね。

二個体とも現在三度目の洗浄をして様子をみていますが、快調に音は出ていまので、明日の朝、コイルがヨークに張付いていなければほぼ修理は成功です。

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