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プラッターを重くしてはいけない理由2

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前の記事でアナログプレーヤーのプラッターを重くするとイナーシャーは増えますが軸受の摩擦によるノイズと歪が増える事を書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/27248045.html
イナーシャーはそのままで軸受にかかる負担を少なくする方法としては、プラッターを何らかの方法で浮かせる事が考えられます。

その代表例は空気でプラッターを浮かせるエアーフロート式ですが、昔にマイクロ社の♯8000を使った経験から問題も多くある事が分かっています。
そしてもう一つの方法が磁気の反発を使ってプラッターを浮かせる方法です。以前の記事でフィデリックス社の中川さんに教えてもらったのがこの方法です。
フィデリックス社でもアナログプレーヤーを発売する事が決まっていましたので、この事についてはこのブログに書く事ができませんでしたが、すでに雑誌の記事に次期発売のプレーヤーがマグネフロートである事が書かれていますので此処に載せます。

昔マイクロ社の♯8000を使用している時にどうも音楽を聴いていて楽しくない。
その事について中川さんに話しをしたところ『もしも理想的なターンテーブルを作ろうとするならば方法はマグネフロート式であろう』と何十年も前から話していた事を思い出しました。
そして、この方法を先日PL-25E改に実行してみたところ、より滑らかになり優しい音に大きく変化したのです。

そしてこの記事に繋がります。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/27173237.html

YAMAHA MC2000の修理

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数日前にヤフオクでカンチレバーの折れたヤマハのMC2000を落札しました。

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MC2000はヤマハのカートリッジの中で最高峰のカートリッジで完動品はヤフオクの中古市場でも高額ですので なかなか手がでません。ボディは金属ではなくポリカーボネイトだったと思いますが、コイルは空芯なので私が興味を持つ最低条件はクリアーしていますので どんな音なのか治して聴いてみたいと思いました。
それが本日到着しましたので早速チェックしてみましたが導通はある様ですのでカンチレバーを取付けられればなんとかなりそうです。
カンチレバーを取付ける方法としては折れたパイプカンチレバーの穴に新たな物を挿して次ぐ方法と元々のカンチレバー径より太いパイプの物を被せる二通りのやり方があります。
この手の高級機は振動系質量を軽くしようとしてカンチレバーの径を極端に細くしたものが常です。ですのでカンチレバーを挿す穴の内径が小さくこの方法は難しいので後者の方法を採る事にします。(計測では内径は0.25mm程度です。)
折れたカンチレバーの外径は0.35mm程度ですのでこれより大きい穴のカンチレバーを被せてしまえば簡単に治りますが、ヤマハのフラッグシップモデルですのでそれでは面白くありません。
丁度ベリリウムの無垢のカンチレバー(外径0.4mm)が手元にありましたのでこれを使う事にしました。
そのままでは継ぐことはできませんのでスリーブを介して継ぐことになります。
さて、そのスリーブですが内径0.4个離僖ぅ廚任垢里悩遒襪里牢蔽韻任呂△蠅泙擦鵝
使う材料は超々ジュラルミンのA7075を使用しました。
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旋盤を使って削り出したパイプです。予め0.4mmのドリルで穴を開けた後に外径を慎重に削っていきます。出来上がった外径は0.5mmですので0.05mmの肉厚までにできました。(考えてみたら ここまでの細さにパイプが加工できればジュラルミン製カンチレバーが自分で作れますね。)
これをカッターナイフで切り落としてカートリッジ内に残ったカンチレバーの元に被せて接着しベリリウムカンチレバーを挿せば出来上がりです。
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さて、音は正常に出ましたので これから試聴です。

スピンドルシャフトのベアリング化の検証

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此処数日だいぶ緑も濃くなり暑さも徐々に増してきて夏が近づいている事が感じられる様になってきました。

ここ数年はアナログプレーヤーの検証と改造の記事が多いのですが、もうほどんど完成した音になってきて変更するところは極わずかとなってきています。

そんな状態の中で、今回もプレーヤーの検証の記事になります。
プレーヤーの常識として以前より「スピンドルシャフトは太くて長い方が音が良い」と言われてきました。
しかし、私は「細いスピンドルの方が音は良いはずだ」思っていたのです。
それまでに実際には自らが直接比較して実験したわけでなかったので絶対とは言い切れなかったのですが、太さの違うスピンドルシャフトを数点用意して比較したところ、『細いスピンドルシャフトの方が圧倒的に音が良い』という事が間違いない事が判ったのです。http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/26475246.html

メーカーの製品には高額なものにスピンドルシャフトが太い物が多く、中には20mm以上もある極太のシャフトの物まであります。この様な物を見ると「メーカーは音の検証も比較もしていないのではないか?」と疑いたくなります。
スピンドルシャフトの検証実験の結果では回転抵抗の少ないものほど音が良い事が分かましたので、できる限り軽く回る様に工夫をすれば良い事が分かります。

普通はスピンドルシャフトはシャフトの面とシャフトを入れるスリーブの面が接する部分にオイルが介在し滑る事によって回る『滑り軸受』が使われています。スピンドル径を細くすると接する面積が小さくなり回転抵抗も少なくなるのです。
ここでもっと抵抗を少なくする方法として考えられるのはラジアルボールベアリングユニットをシャフトに嵌めて側面の抵抗を下げる方法がすぐにも頭に浮かびます。

しかし、なぜか今までこの様なスピンドルシャフトはありません。
検証もせず安易に極太のシャフトにしてしまうメーカーが回転抵抗を軽減する事など考える頭もないのかもしれませんが、丸い物が転がる場合は『ゴロ』と言うノイズを出すのが一番の理由なのではないかと思います。私もこの理由を考えると 思いついていてもなかなか実行するまでには至らなかったのです。
しかし、オーディオの常識には「太いスピンドルシャフトの方が音が良い」などと言う全くの嘘がまかり通ってしまう事を考えれば、実際に検証された結果なのかは疑わしいのです。

ならば、ボールベアリング式スピンドルシャフトの検証実験は実行あるのみです。

スピンドルシャフトのボーベアリング化の検証2

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昨日の記事の続きになります。
まず使用するスピンドルシャフトですが検討した結果PL-25Eに使用されている7mm径の物を使用するのが一番効率がよく作れそうです。
内径7mm外径11mmのミニチュアボールベアリングを購入しました。
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このベアリングをスピンドルシャフトに砥石をかけながら慎重に嵌合わせます。
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使用する軸受ユニット側はPL-31の物を使用します。
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内径は10mmなのでベアリングの外径に合わせて内径を1mmほど削り上部ベアリングを嵌め込みます。
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と同時にシャフトが短いので底部の長さを16mmほど切り詰めて軸受のキャップを取付けるネジ切をしました。
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下部ベアリングを嵌め込んだ底部からの画像です。右下はシャフトを受ける真鍮製の軸受で4mmボールベアリング球を使用しました。軸受はマグネフロート式ですので数十gから百数十gと殆ど加重はかかりませんのでこの軸受が一番です。
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組み上げて完成です。左のオリジナルより短くなっています。

ベアリングシャフトの音質比較

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先週ラジアルボールベアリング式スピンドルシャフトの製作を完了して
しばらく様々な音楽聴いて比較試聴をしていましたので試聴記事の掲載が遅れていました。

音を出す前にスピンドルシャフトを何時もの様に指で回してみて今まで使用してきた物と比較してみました。回す力は僅かにベアリング軸の方が軽く、思ったよりも差がありません。今までの『滑り軸受け』は同じPL-25Eの7mm径の中間を細くして軸スリーブとの接触面を少なくし軽いオイルをつかっていますので、この軸でもかなり良く出来ている事が分ります。ただ、オイルが接触面の間ありますので指に粘る感触が感じられます。
一方ベアリング軸は軽くは回りますが丸い物が転がる「ジリ、ジリ」感が指に感じられますので、これがどの様に音に影響するのか心配な所ではあります。ただしオイルが介在しないので粘る感触はありません。

さて、お待たせしている音質比較ですが、大きな違いは『ボールベアリング軸』は『滑り軸』に比べて音に解放感があります。『滑り軸』は上から抑えられた様に感じ、聴き方によっては落着いた真面目な音とも言えますが、良く聴くとやはり「オイルダンプされた音」だと分かります。(このオイルで抑えられた物の極端な音が太いスピンドルシャフトの無表情の死んだ様な音なのです。)
『ボールベアリング軸』は音の響きが空間上方に「パァーッ」と広がり華やかさが感じられるのです。心配したボールの転がるジリジリ感も音には感じられません。

弦楽器を聴くと『滑り軸』の方は落着いた音なので向いているのかと思うと、さにあらず。『ベアリング軸』の方が歪が低く刺激のない音でこれは聴けば「あー!」と皆納得してしまうほど明らかな差がでてしまいました。

この様に『ベアリング式軸受』の方が音楽が楽しく、音が良い事が分りましたが、なぜ今までこの様な方式のスピンドルシャフトが作られてこなかったのか?

不思議です。

fidelixのサイトに『カートリッジの話2』が掲載されました。

6/19家オフ

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昨日は久々に拙宅でオフ会がありました。
参加された下さった方はaudiofunさん、雪まるださん、ダマテラさん、そしてkさんです。
今回の主な目的は
1.audiofunさんの作ったP2D+DSD原理基盤を搭載したDACの試聴
2.私の作ったピュアストレートアームとベアリング式スピンドルシャフトの音の試聴
の二つになります。

audiofunさんの今回製作されたP2D+DSD原理基盤DACは暫く使う前に動かしてウォームアップをしないと能力を発揮しないそうで、午前中に雪まるだ邸でのオフ会をしている間に動かしていてほしいと先に拙宅に寄ってDACを置いていきました。
私は午前中は仕事がある為に雪まるだ邸でのオフ会には参加しませんでしたので、仕事の合間に一人で落着いてジックリとこのDACを聴く事ができました。

トランスポートは私の改造したQA550カードトラポをI2S出力で接続し、このDACの内部でPCM信号をDSDに変換しDSDDACから通常のラインで出力します。

試聴した音質ですが、まず音が出た瞬間に滑らかで優しい事が分かりました。
通常のPCMはやや硬質感がありハッキリ、クッキリしているのですが長時間聴いていると疲れて嫌になってきます。しかし、このDACは長時間聴いていても嫌になる様な音がしません。「よりアナログライクな音になってきたな」と感じました。
通常聴きやすい音になるとエッジの丸い音になってしまい私が聴くには『どうでも良い様な音』になりがちですが、よく観察してみてもエッジや細かい音が潰れて聴きやすくなっている様ではありません。
聴いた感じではPCMから情報量が増えた感じには聴こえませんのでアナログと同等とはいえませんが通常使用する場合は私はこのDACでデジタルは聴きたいと思うほど良い音でした。
オフ会の最後まで長い時間をかけて聴いてもこのDACの印象は変わらなかったので
やはりデジタルも進化し続けている事を強く感じさせてくれました。
進化をつづけて最後はアナログと同等の音になってくれる事を大いに期待したいものです。

その後に午後から皆さんが次々に到着されて私の今回製作したピュアストレートアームとベアリング式スピンドルシャフトの効果を部品やプレーヤーを交換して聴いてもらいました。
この評価は私が書くよりもaudiofunさんや雪まるださんの記事におまかせしたいと思います。
今回もとても楽しいオフ会となりました。
皆さんには遠路お集まりくださり真に有難うございました。

THORENS MCH Ⅱの修理

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毎日曇空と雨で鬱陶しい日が続いていますが皆様 体調など崩さぬように気を付けてお過ごしください。

先日のオフ会の時に何時も参加してくださるダマテラさんからカートリッジを二点預りましたが二点ともスタイラスチップの脱落との事です。
そのうちの一点のカートリッジ『トーレンス MCH供戮僚ね鬚靴討澆茲Δ繁榮茲螻櫃ってみました。MCH兇老舛らお分かりの様にプロ用ターンテーブルを作っているEMT社の専用カートリッジTSD15を使いやすい様にコンシュマー用に作り直した高級カートリッジです。
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MCH競ートリッジのカンチレバーのチップ取付け穴は残っていますがピンセットで触ってみると粉々になって飛び散ります。原因はアルミの腐食によるチップの脱落です。このままでは取付ける事が出来ないので崩れる部分を取り去り清掃をしました。

チップは通常の楕円針との事ですので合う様なものを捜してみました。
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取付ける方向がありますので赤のマーキングをしてこの折れ曲がったカンチレバーからチップを取り外しました。
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そしてチップを取付けた顕微鏡写真です。接着剤が固まるまでそのままにして試聴は明日ですね。
良い音が出てくれる事を願って今日は寝ます。

6月26日追記しました。
翌日に接着剤が固まるのを待って拙宅のプレーヤーに取付けて音出しをしてみました。
オルトフォンタイプのカートリッジでは意外や癖のないニュートラルな音がして以前にEMT930STプレーヤーで聴いたTSD15の印象よりかなり良く聴こえます。
空芯カートリッジしか聴かない私の音ではありませんが、これはこれでなかなかの音を聴かせてくれました。
試聴では音に問題は無い様なので無事にダマテラさんに返す事ができそうです。

SONY VC-20の修理

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七月に入ったばかりなのに信じられない猛暑で倒れそうです。
夏はこれからなのに先が思いやられます。熱中症には気を付けましょう。

知人から「先日オークションで落札したんだけど針先が無いんだよね。あなたなら治せるでしょうからあげるよ」とカートリッジを頂戴しました。
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SONYのMCカートリッジ VC-20です。このカートリッジはシステムコンポに付属していたおまけカートリッジですが知る人ぞ知る隠れた逸品です。カンチレバーの中間からリンクを使って振動をコイルに伝えるダイレクトカップル型の空芯カートリッジで構造からしてSATINのOEMでしょう。ですので何とか助けたい。
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診てみるとチップの脱落ですね。チップの取付け穴は残っているのでこの穴にチップを挿して修理してみましょう。
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 そして、修理が完了しました。接着剤が硬化するまでそのままですね。試聴は明日になりますが楽しみです。

空芯MCと鉄芯MCカートリッジの音

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関東は暑くないのはよいのですが、なかなか梅雨が明けず湿気の多い毎日が続いています。
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さて、私のアナログプレーヤーはすでに完成域に達していると自負していますので
ここの所で所有している物やリビルトした物、そして借用している物など多数のカートリッジを再度聴き直してみています。

ところで皆さんは鉄芯MCカートリッジと空芯MCカートリッジではどの様なイメージをお持ちでしょうか?
夫々のポジティブ面を書くと
鉄芯は低域に力と密度があり低重心で線が太く厚みがあると言うイメージでしょうか?
方や空芯は繊細で低歪、澄み切った空間のイメージでしょうか?

確かに鉄心カートリッジはトータルなシステムとして低域が出ていない音を補う(辻褄を合わす)には鉄心カートリッジが上手くバランスが取れる事があります。
鉄芯入りカートリッジ派から見れば空芯カートリッジはエネルギーバランスが高域寄りで厚みがなく線が細い音と言うのがマイナス面なのではないかと思います。

私もロックをよく聴くのでバスドラの力強さや厚みは無くてはならない条件ですが
一時はオルトフォン型カートリッジの方が好いと思えた時期があったのです。
しかし、システムが熟成されてくると だんだんと空芯カートリッジの方が好く聴こえ、けして迫力も厚みも力強さも物足りない様な事はなく誇張のない音なのだと分かってきました。

私は長くアナログをやってみて空芯カートリッジのエネルギーバランスが高域に寄ってしまう原因はプレーヤーの回転によるものとフォノイコライザーによるものが原因となっているのではと思う様になっています。

今や空芯MC派の私からみれば鉄心MCの音のネガティブ面はまず空間に現実には無い物が見える事で、それが邪魔をして空間の底が見えない事に苛立ちます。また、鉄心の音はスピーカーの外側まで「パァーッ」と響きが広がらず閉じ込められた空間のなかで響きがグルグル回っているかの様に聴こえ、音の表現も細やかさが足りず大雑把に聴こえます。また低音は量が多すぎで低音かぶりがある様に聴こえるカートリッジがあり、質感も「ドスドス」と重く(鈍く)響く様に感じるのです。

フィデリックス社の中川さんともカートリッジの事ではよく話をしますが
最後には何時も「カートリッジの選択条件は最低でも空芯だよね。」と言う事になります。

500,000ヒット御礼申し上げます。

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本日私のブログのアクセス数が50万ヒットに到達いたしました。
オーディオの記事だけでこれだけ多くの方々が
当方のブログを見に来て頂けた事を心より感謝いたします。

50万ヒットの前に私の目標としてきた理想のアナログプレーヤーが完成した事は
故江川三郎氏、中川 伸氏そして多くの方々の御指導と御尽力があっての事と思っております。

これからも当ブログを宜しくお願い申し上げます。

ダイアナ・パントンのレコード2枚

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今日注文した2枚のレコードが届きました。
ダイアナ・パントンのアイ・ビリーブ・イン・リトルシングスとレッド~ルージュのため息~です。
早速、私のコンプリートした自作ADプレーヤーに載せてみました。

「ああ、レコードプレーヤーを追いかけてきて本当に良かった。」と心底思いました。
パントン嬢の歌う声が何と穏やかで優しいことか。このパントン譲のレコードは素晴らしいです。

ここ暫くはこのレコードを聴いて幸せな気持ちになれそうです。

ピュアストレートアームの話

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梅雨が明け、毎日酷暑の日が続いて夏本番に突入です。

今回私のプレーヤーに採用したピュアストレートアームですが
非常に鮮明で曖昧さのない音は、レコードから今までに聴けない音を再生してくれていて、暫く色々なレコードを聴いた結果でも「このアーム以外にはありえないな!」と確信がもてるまでになっています。

ピュアストレートアームの発想となる切っ掛けは、江川三郎さんが 昔ターンテーブルのイナーシャを増やすと音が良くなる実験をしていた時に
プラッターの直径をどんどん大きくすると当然アームの長さがロングアームでも足りなくなってしまい、ロングストレートアームに直線的にカートリッジを取付ければアンダーハングで使用出来る為にアームの長さが稼げると思いついた事からでした。
トラッキングエラーは大きくはなりますが、ロングアームだから影響は少ないだろうと判断したそうです。しかし、音を聴いた結果はトラッキングエラーの悪影響どころか大きく音質が向上してしまったのです。
 この事について著名なアーム設計者数人に「あなたはトラッキングエラーの音を聴いた事がありますか?」と問うたところ全ての人が「設計上からは歪率は出てくるが、音としては聴いた事が無い」という答えだったそうです。
この後、リニアトラッキングアームにわざとカートリッジをオフセットで取付けたりして比較実験を繰り返しましたが、やはりトラッキング歪は通常のレコードを聴いている限りでは人間には分らないとの実験結果を得たようです。

私も昔サエクの506/30の頭を切落としてピュアストレートアームにした事がありました。その時も「曖昧さのない鮮明な音になった」と感じられましたが、それから数十年後にピュアストレートアームを自作してしまうとは思ってもいませんでした。
作ったピュアストレートアームを取付けて観察しましたが、通常のオフセットアームではカートリッジがレコードに引かれる延長線上には支点が無い事がわかり、ピュアストレートアームが力学的にも正しい事が分ります。
また、アームの軸受に再生音が曖昧になるベアリングを使用しないで支点を完全なものにした事で、より一層ピュアストレートアームの長所を引出す事が出来たのだと思います。

近々にフィデリックス社からも、これと同じ構造のピュアストレートアームが発売されますので楽しみにしていてください。

JacinthaのレコードHERE'S TO BEN

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今回の関東直撃の台風の被害で2日半停電が続いて今朝やっと回復しました。
東日本大震災の時でも停電は1日でしたので今回は最悪でした。
その間は井戸なので水は出ない、ネットはやれない、レコードは聴けないで如何に電気に頼っての生活か思い知らされました。

その停電の間に届いたレコードがあります。
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ジャシンタの「HERE'S TO BEN」です。
ジャシンタ嬢は歌も上手く録音も良い事から。このアルバムは16bit/44のデジタルではボーカル物の比較試聴曲としてお気に入りでよく使用していますが、ネットでレコード盤が販売されていると知りましたので早速注文を入れてみました。

さて到着した盤を見てみると45rpmと書いてあります。
33回転かと思っていましたので驚きました。重量盤の2枚組です。
私の所有LPは全部33回転なので33回転でよかったのですが、まあ音がもっと良ければ結果良しです。今はちょっとしたアナログブームの様で結構聴きたいものがレコードで発売されています。今の所はアナログしか聴かない私には良い時代だと思います。

このアルバムは普段聴くデジタルでも相当に高音質なのですが、45rpmなので歯切れの良い凄い音がしそうに思いますが、さらに静かで自然、上質の肌理細やかな優しい音です。まさにジャシンタ嬢が眼前に存在して歌ってくれているかの様です。


私の今まで追い求めてきたものは何時でもリンダ・ロンシュタットやダイアナ・パントンやテイラー・スウィフトがそこに存在して聴きたい曲を歌ってくれる様に錯覚させてくれるほどのリアリティです。今のアナログの音は私にはもう十分すぎるほどの完成度の音になっていると思っています。

高音質モーターの内部構造を見てみました。

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台風被害がまだ治まらない状況でまた台風10号襲来かと心配しましたが
それて房総沖を通過し再びの被害はまぬかれました。しかし、東北、北海道は大変な事になってしまいました。

私のオーディオの現状はアナログプレーヤーは納得の音まで到達してしまい、レコードから再生される素晴らしい音楽に聴き入るばかりで、やる事が今のところありません。
何をするか考えていると、以前にモーターのプーリーを外す器具を作って外したままでスッカリ忘れていたモーターの事を思い出しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/27213638.html

ターンテーブルのスピンドルシャフトを極低抵抗にする事で音楽が飛躍的に生き生きとした表情になる事が分った以上、モーターのスピンドルにも改善の余地があるのではと思って中を開けてみました。

私はモーターは小型の物に限ると思っていましたが、このモーターは見た目はとてもチャチで小さなDCモーターなのですが聴くと信じられないほど素晴らしい音質なのには吃驚します。
モーター底部の蓋を開けてみるとスピード調整用基板とボリュームがあります。
さらにその基盤を取ると基盤の裏に2極のブラシがつていて、リング状マグネットとローターは三極のおもちゃのマブチモーターの様な構造です。
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さて、ここでローターを抜こうとしましたが磁力で引かれて抜けません。
分解する前は構造をみてからローターのマグネフロート化が出来ないかと考えましたが、ローターが極軽量なので、リングマグネットに引かれてすでにマグネフロートになっているのではないかと思いました。スラスト軸受はブラシと基盤の絶縁も兼ねた写真左側の白い樹脂製です。「うーん。もしかして最初からマグネフロートになっているとしたら凄い構造だ」と思いました。軸受の径は2mmと極細でこれも高音質に寄与しているのです。しかし、既製のプレーヤーと同じく「滑り軸受」なので此処にボールベアリングを使用したらもっと抵抗は小さくなるはずです。

むかーし息子と一緒にミニ四駆をやった時に使った内径2mmの極少ボールベアリングが手元にありローターの主軸に嵌めてみたらピッタリではありませんか。
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試してみる価値は十分です。

フィデリックス社のアームが発売開始

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以前より予定されていたフィデリックス社のピュア・ストレートアーム
『0 SideForce(ゼロ・サイドフォース)』が発売になりました。
http://www.fidelix.jp/products/0%20SideForce/index.html
オールステンレス製で多くのプレーヤーに取付けが可能の様です。
私が作ったピュア・ストレートアームと全く同じ構造のベアリングレス2点指示で
理想的な支点の明確化を実現しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/27941676.html
オフセット付きアームとは桁違いの鮮明な音を体験してみてください。
きっと驚きますよ。

千葉から来たアナログプレーヤー

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昼間はまだ夏の暑さですが朝夕はスッカリ秋の気配になってきています。
このまま暑くならないでくれると楽なのですが。

話は1ヶ月半前に遡ります。ブログのコメントに投稿があり「パイオニアのアナログプレーヤーの改造方法に付いて教えて欲しい」との事。
メールでやり取りしていると神奈川県の川崎に在住との事で
近くなので我家に聴きに来て頂ける事になりました。

間もなくNさんが来訪してくださいました。
話をしてみると所有しているスピーカーは驚くことにシーメンスの『オイロダイン』とJBLの『4550』のマルチアンプ、もっと驚いたのは横浜の超有名なオーディオファイルの『三上医師』が仲人なのだそうです。
毎年地元で『オイロダインを聴く会』を開くほどの方だったのです。
数千枚のレコードを所有しアナログが大好きな方だったので話は盛り上がり
結果私の現在使用しているプレーヤーのデッドコピーにしてくれる様に頼まれました。
「出来上がるまで時間がかかりますよ~」と言ったのですが時間制限なしで待ってくれるとの事で承諾しました。

「完成までの間に時間があるので自分でも改造をしてみたい」とモーターや改造部品を随時送ってみたりしていましたが、改造した結果を「イヤー良くなった!」と度々嬉しい連絡を頂いていました。

そして、依頼されたプレーヤーが出来上がりましたのでNさん邸の試聴も兼ねて昨日PL-31E改の完成品をもって川崎まで行ってきました。
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コンクリート造り、20畳位ある部屋で床を下げて作ってあり天上高はかなりあります。入ると左手に写真の様に150-4Cウーハーの入ったJBL4550が横に置かれていました。(真ん中のダブルウーハーのバックロードホーンはモノ専用です。)
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アムクロンのパワーアンプ6台を6dbクロスのパッシブデバイダーでマルチアンプ駆動としています。
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右手はレコードラックに大量のレコードとラジコンや自転車と氏の多趣味が窺えます。以前はこの面にオイロダインが置いてあったそうで、今は他の所に置いてあるので今回の試聴は叶いませんでした。
そして、驚くのはこれです。
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金田明彦さん本人が製作された『金田式アンプ』の山です。なぜこんなに沢山の金田式アンプがあるのかと聞くと金田さんの試聴会の設定をして、する度にお礼に頂いた物なのだそうです。なのでNさんは金田式アンプの信者でもあるんですね。

さて、とりあえずそのままの状態でレコードを聴かせてもらいました。
主に聴くのはジャズだそうですので前に出る音が好きとの事
おっしゃる通り全体にスピーカーの前の方に音像が並びます。
音はこのままでもバランス良く滑らかな音です。
使ったプレーヤーはパイオニアのPL-61を改造したもので、すでにスピンドルシャフトのベアリング化や私の送ったDCモーターに換えていましたので、このままでもとても良い音です。正直「私の改造したPL-31Eに交換して差が出なかったらどうしよう。」と心配になるくらいでした。
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そして、プレーヤーのみPL-31E改に交換してみました。カートリッジはシュアのV-15靴任后
音が出た瞬間から圧倒的に(けして大袈裟な表現ではないんですよ)違います。音像は小さくなりスピーカーの前面に並んだ音像の背景にある弦楽器が混濁せずハッキリと聴き取れ立体的になります。音質はもっと優しくなり歌手の感情の表現まで全く違って聴こえるのです。

正直この音を聴いてホッとしました。
Nさんも友人に「千葉からプレーヤーが来たら貸してやるから。」といって「千葉のプレーヤーはまだかー!」と催促されていたそうですが「貸すのはムリだな・・・」
「良くなり過ぎて私が聴くから貸せないわ」だそうです。(笑)

さて、此処で疑問があります。Nさんは今までに一度も一人で面識のない人の家にオーディオを聴きに行った事は無いそうです。そのNさんが何故ブログを見ただけで私の所に来ようと思ったのでしょう?
Nさんは昔からアナログプレーヤーを重視していてレコード盤より大きな砲金プラッターを持つ巨大な糸ドライブプレーヤーを三台作り、一台は自分用、もう一台は知人に渡し、三台目は今でも『三上医院』で回っているそうです。この様に苦労しながらも今は使用しているプレーヤーはリンのLP-12なのだそうです。カートリッジは違いますが私と同じ様な道をたどって同じプレーヤーに行き着いた。
そして、決定的な事は私の『手回しプレーヤー』の記事だったそうです。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/folder/701280.html
ひとりでプラッターを手で回してみて音を聴いてみるととても良い音がしたそうで、
「このまま定速で回す事ができれば素晴らしい音になる!」と分かり、
そして、どうしても私のプレーヤーを聴いてみたくなったのだそうです。

いままでに色々な事を経験し、苦労してきたからこそ、この『手回しプレーヤーの音』を聴いて凄い事なのだとすぐに理解して頂けたのだとおもいます。

Nさんも私も長い年月の間に溜まったオーディオの話が山ほどあり、気が付けば辺りははスッカリ暗くなっていました。
お土産に戴いたレコードがまた凄いのです。
これです。
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オリジナル盤ですよ

久しぶりのダマテラ邸オフ

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ようやく夏も終わり涼しくなってきましたので、これからは音楽を聴いたりオフ会に参加したりオーディオには最適な季節になってきました。
昨日は早速audiofunさんとダマテラ邸を訪問してきました。

新にボリュームと電源トランスを載せ換えたカウンターポイントのプリアンプを聴くのとaudiofanさんの自作USB>I2S変換DDCとジッタークリーナーの効果を聴く事、
そして、以前にスタイラスチップ脱落で修理を終えた2点のカートリッジを渡してきました。
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オフ会は午後を予定していて1時間ほど先に私が到着しましたのでaudiofunさん到着まで私の修理した2点のカードリッジをチェックして頂きました。
お渡ししたカートリッジをダマテラ邸のシステムで聴きましたが
何時もの様にバランスの良い音です。ロジャースのSTUDIO2aスピーカーは2ウェイですがとてもレンジが広く特に低域に厚みがあります。しかし、これはカウンターポイントのパワーアンプだからこその音なのだそうです。
修理したカートリッジも良好に鳴っていましたので一安心です。
持って行ったフォノイコライザーのレジェーロと繋いてみましたがギターやチェンバロの音のエッジが『キレッキレ!』の気持ちの良い音になり、それでいて優しいのです。
前にもダマテラ邸で聴いた最高の音になってきました。
やはりレコードに刻みこまれた音は凄い音なのです。
カウンターポイントのプリアンプも以前よりS/Nがよくなり一層好く聴こえました。
以前はボリューム位置が12時位でノイズが気になりだしましたが、今は2時位まで上げても気にならなくなり、とても良いコントロールセンターになったと思います。

それから間もなくaudiofunさんが到着して暫くこのアナログの音を聴きながらオーディオ談義に花が咲きました。
audiofunさんはデジタル機器の自作に力を入れていて、今回はUSBからI2S出力変換DDCを持って来られたのですが、私が持って行くと約束したQA550SDトラポのリモコンを忘れてしまった為に本来の能力を発揮した音は聴けませんでした。申し訳ない!
しかし、もう一つ持参されたジッタークリーナーは明確な効果が聴け、音質が向上する事がよく分りました。
audiofunさんには、常に新しい物に取り組み興味深い音の変化を聴かせて頂いて感謝しています。
時計を見ると夕刻6時を回りお開きの時間となりました。
さて、次回のオフ会は何処になるのでしょう?楽しみです。

究極のアナログプレーヤー

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私はオーディオを始めた早くからアナログプレーヤーの回転は『手回しプレーヤーの音』が究極である事は認識していました。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/25406189.html
この音に到達する為に巨大モーメントのプレーヤーやエアフロート式など試行錯誤を繰り返しトーレンスのプレステージやEMTの927などのハイエンドも含む多くのプレーヤーを聴いてみたりして市販品で辿り着いたのはリンのLP-12やARの様な極普通の『ベルトドライブプレーヤー』でした。
しかし、これらの既製品プレーヤーでも『手回しプレーヤーの音』とはまだ隔たりがあり、私はこの時は「モーターを使用している限り『手回しプレーヤーの音』にはたどり着く事はできないのだろう」と半ばあきらめかけていました。此処から先には進む事はできなくなっていましたので、「まぁ、この状況でも音楽は聴けているので」と自分に言い聞かせて数十年間はこの状態が続いていたのです。

ピュアストレートアーム製作中

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昨日は夏に逆戻りの様な暑さでしたが今日は一気に秋に戻りました。
ブログ更新が滞ってしまっています。毎日チェックをして頂いている皆様には申しわけありません。

ここしばらくは以前にPL-25Eを改造してお渡しした方達から専用のピュアストレートアームへの載せ替えの依頼が来ていて、仕事の合間に作っているので、全く時間がない状態が続いていました。
アームの部品はほぼ作り終わって揃いましたので内部配線と組立を始めています。
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