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STAXのアームの修理 1

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猛暑日の記録が更新されています。毎日暑いですね~。

最近はオーディオ機器の修理工房と化しておりますが
今回はスタックスのアームの修理の依頼がきました。
UA-3とUA-7です。
このスタックスのアームは超高感度を追求したアームで
ワンポイントアームにプラスして、下部に横揺れ防止用にセンター軸に嵌めたベアリングが脇のプレートに接する様になっていて2ポイントアームとなっています。アームケーブルの途中に感度を上げる為0.05mmの極細銅線で接続してあります。この細線が断線してしまうトラブルがとても多いそうです。
このケーブルを交換するのですが1本のアームでリード線の本数は5本でカートリッジのコイルより少し太い程度ですので難易度は最高レベルです。
イメージ 1
まず、接続用のリード線作りからです。素材はオリジナルより僅かに太いホルマル線の0.08mmです。これの両端にハンダメッキをするのですが、これがそう簡単ではありませんでした。
イメージ 2
ホルマル線の外皮はポリエステルで熱に強くハンダゴテを高温にしないと溶けません。しかしハンダを高温にすると銅の線がハンダに溶け出してしまい0.08mmのただでさえ細い線がもっと細くなり弱くなってしまいます。もっと太い線なら何の問題もないのですが・・・
半田メッキも表面張力でなかなか乗らず思っていたより難しい作業です。

またステンレスのピンセットでこの細線をつまむと僅かな力を入れても切れてしまいます。その為、写真の様に竹製のピンセットを新に用意しました。
そのままでは先が太いのでナイフで削って使いやすい形に成形しました。
これで少々の力では線は切れなくなりました。

説明しやすい様に接続後の写真から載せます
イメージ 3
アーム側の端子(写真右側)に極細線をハンダ付けしてからアームの上から見て左回りにセンターシャフトを一周して下りていきシャフト側の端子(写真左側)にハンダ付けするのです。
イメージ 4
最初にアーム側の端子にホルマル線を取付けた写真ですが、簡単に放射状に付けられましたので、このまま回して接続すれば楽勝かと思いましたがとんでもない。
左側に曲げて回したとたんに線は元から切れてしまいます。
最初から線は旋回する左斜上方に向けてハンダ付けをしておきアーム旋回時には接続部は線方向に引っ張られる様に付けなければならないと判ったのです。(曲げたらアウト)
スタックス社にはこの作業をする人は2人くらいしかいなかったと聞きますから
これをやってみれば「なるほど」と納得できます。

テスターで当たって導通している事を確認できましたが、カートリッジの様に少しでもハンダ付けが出来ていればそのまま固定ですので断線する事も無いのですが、アームの旋回部分で常時動く場所です。長い時間使用しての断線防止の為、ハンダ接続部には何か処理しなければなりません。
さて、どうしますかね~ さすがに疲れたので今回は此処までにしておきます。

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