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FR-1mk2を落札しましたが ジャンク品でした。

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イメージ 1

最近ヤフオクでFR-1mk2を落札しましたが
到着して翌日テスターで測ると右チャンネルの導通がありません。
すぐに対応してくれる様に連絡しましたが
「ノークレームノーリターンなので対応できません」の返答です。
以下出品時のコメントをそのまま載せます。

****************************
最近まで使われていたものですが詳しくないため未確認です。
改造ありです。
完全ノークレームノーリターンでお願いします。
画像に写っているもので全てとなります。
本商品は委託出品となります。

※当方、専門知識を有しておりませんので、細かい機能やパーツの状態、技術的な質問はご遠慮願います。
******************************

この出品者の常套句最近まで使われていたものが曲者でしたね。
実体顕微鏡で見ると針先は殆どすり減っていない新同に近い事から使われていた形跡は殆どありませんね。
この人から他のカートリッジを落札した方の評価も曇の「どちらでもない」で一言「ありがとうごさました。」でした。
本当は涙かな?

フィデリックス社のサイトに高性能フォノイコ『レジェーロ』の記事が載りましたが
その中にFR-1mk2の底を削って音質改善を図った記事も載っていますので
真似をして作ろうと思って落札しましたが断線とは・・・
とほほ・・・
これ以上確信犯に何を言ってもムダでしょうからね。気持ちを切り替えましょう。


しかし、しかしです。
このFR-1mk2はジャンク価格ならあきらめもつきますが、ネット相場で購入しましたので、このままゴミにするには納得いかないので樹脂部分を殆ど剥してみました。
イメージ 2

完全なスケルトン状態になりました。
形はマグネットにヨークを張付けて、アルミカンチレバーの根本にコイルとダンパーを配置したDL-103と同様のオーソドックスなオルトフォンタイプです。
しかし、コイルのコアは磁性体ではなく空芯コイルなのだそうです。
その為に出力電圧が極端に低く、このカートリッジを増幅する為に
超ローノイズフォノイコライザーが必要になるのです。

断線はコイル内やコイルとリードの元で切れていると ほぼ修復は不可能です。
実態顕微鏡をみながら倍率を上げて右chのコイルとコイルから出ている極細線のリードを慎重に検査しました。
目視ではコイルもリードも断線している様な所は見つけられませんでしたが、
ピンセットでリードを触ってみるとフラフラと簡単に動きます。
良く見てみるとリードの先端がハンダ付けの部分から離れている事に気が付きました。
これは幸運です。
そうと判れば何時もの通り実体顕微鏡を覗きながらチョチョイのチョイです。
イメージ 3

これで右chの導通が回復しました。
取敢えずこのカートリッジに付いてきたテクニカのシェルに瞬間接着剤で張付けて
端子はシェルリードは使わずハンダ付けです。

PL-25E改プレーヤーに取付けて音出しです。
ボリュームを上げてもハム音が出ませんので導通している様です。
いよいよレコードに針を落とします。
イメージ 4

やっと音出しまでたどり着きました。やれやれです。
MCR-38プリのボリューム位置は2時から3時とかなり高く丁度イケダ9と同じ位です。
MCR-38クラスの超ローノイズ級フォノイコを持ったプリでなければノイズが気になるでしょうね。

さて、音ですが針を落とした瞬間に素直な優しい音だとすぐにわかります。
普段からエッジの立った音に慣れていると少し物足りないかもしれませんが、とてもしなやかで自然な音です。
バランス良く確りした厚みのある力強い低音が出てきます。
このカートリッジも常用機として十分な音質のカートリッジだと思います。
紆余曲折はありましたが また、新たなカートリッジが加わりました。

もしフィデリックス社のフォノイコライザー『レジェーロ』が完成した時にはこのFR-1mk2は一番にお勧めしたいカートリッジだと思います。

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